一度は、接客やっとけ！！

「オーナーシェフになりたきゃ、一度は接客やっとけ！！」とはバンビの師匠、宍戸鉄幹のことば。イタリアンの料理人としての独り立ちの過程を描く漫画『バンビーノ』の１シーン。

何かを作りたいと思う人には、特に売り物を作る人には必須の経験だろうと思う。売る場面に立つことは必修ではないだろうか。

やっぱり、そこからはじまるように思う。どういうお客さんがいて、どういうものを求めていて、こっちはどういうお客さんを好ましいと思い、どういうサービスとものを提供したいと思うか。需要と供給が、一致すればよいけれども、書籍、特に学術書の場合はそれはアンバランスになることが多い。鉄幹はオーナーシェフというが、企画を立てることのできるコミッションエディターになるにはと言い換えてもいい。

純粋に商品ではないから、商品を作ることよりも難しいこともある。『新訂　アーツ・マネジメント概論』（水曜社）３章「アーツ・マネジメントへの経済学からのアプローチ」は必読だろう。アートと市場の関係と学術図書と市場の関係は、似ていると思う。

図版は、バンビーノ３巻（せきやてつじ）より。