シフリンの『ことばとお金』(Words and Money)

シフリンの『ことばとお金』(Words and Money)を、読み終わる。実は、文化政策の話しです。


アメリカでは、書店がどんどん無くなっている。コングロマリット企業に出版社は買い取られている・・・、という事態に対して英語話す圏ではない国では、政府による援助が劇場などの芸術支援と同様に行われており、グローバル化に対抗している、、、という。


新聞や書店や独立系出版社をどう支えるかというやり方、政策について英語を話している国々とそうではない国々ではやり方が違っていて、参考にするべき点があるのではないか、という視点の書籍です。


日本で、文化政策というと、文化財保護政策と芸術政策に、限定されていると言っていいと思うが、国民の知識・教養をどう高めるかというのも、たしかに文化政策であるわけだ。しかし、そういう視点は日本にはほとんどなかった。



アマゾンに出ているWords & Moneyの表紙




私が購入したWords & Moneyの表紙


出版にしろ、新聞にしろ、銀座で高いお金を使って遊んでいるような人々だから、消えていくべきだみたいな佐々木俊尚氏や、助成金に依存している学術出版社はなくなるべきだのような岡本真氏の議論は、あるが、文化政策としての議論はそもそもないというのが現状だろう。


しかしまた、英語スピーキングカントリーで、シフリンの議論を受け入れる素地は少ないのではないかという気もする。英語スピーキングカントリーのグローバルスタンダードや行き過ぎた新自由主義の方が、米国では支持されているように思う。シフリンもこのところ、米国とフランスに半分ずつ住んでいるというのはそういうところに原因があるのではないか。


だれもが支持してくれると楽観できるものではない。