現代の若者の2つの弱点

樋口弘和さんの『即戦力は3年もたない』も続けて読んだ。

中途採用に安易に頼るのではなくて、新人を丁寧に育てよう、という内容の本だ。

この中に、ヒューマンスキルが苦手な若者たち、という節があってその中で2つのことが指摘されている。

「相手の視線に立つこと」

このことがなかなかできない、ということを言っています。これは、モノを売るときにも大事ですし、何かを相手に作ってもらうときにも重要で、要するに仕事を人とやっていくときに重要なこと、何だけれどもなかなかそれができないという指摘です。当たり前と言えば当たり前ですが、樋口さんはその原因を分析しています。「その原因は「協働の経験」が減ってきているためではないか(中略)協働経験の不足による問題点は、他人を思いやる、理解する、あるいは理解しようとする力が育たないことです。(中略)顧客の立場で物事を考えることができず、結果として仕事のやり方が自己本位でトンチンカンになってしまうのです」

「社会性がないこと」

これは相手の視線に立つこと、と関連していると思いますが、どうしてそういう感覚になるかというと「好きなことや言われたこと意外にやったことのない人に多く見られる傾向です。(中略)企業に入ると上司や先輩の「意図するところ」を読み取らなければいけないのですが、そういう力が非常に弱いのです。」ということ。



協働の経験というのをしたことがないというのであれば、どうしたらいいのか。

さて、ここから、デスマス体に変わります。

先日、TKY大の先生が、授業の最初に座っているとなりの人とお互いのことを話をして下さい、と言っても、どっちから話し始めるかということだけで数分たってしまう、だから、最初にお互いの誕生日を言い合って、誕生日の早い人から話し始めて下さいと言っている、とおっしゃっていました。いっしょに話しをするというのは、私も社長をやっているにで、そういうわけにもいかないのでありますが、本来は引っ込み思案なので、どうにも恥ずかしい気持ちが分かりますが、こういうアイスブレークが必要ということなんです。

編集という仕事は一人でやるという要素が強く、人に縛られないという点は良い点でありますが、それだけでは、協働の経験にならないとすると、新人を育てていく過程で、協働ということを埋め込んでいかなければならないということになります。

小学校のように「みんなでやろう」と標語を貼ると言うことは意味のないことであります。エンカウンターでしょうか。



TKY大はとってもけいわいという意味ではありません。海に近いところ。