電子書籍を巡る対話

S:電子書籍って言うけどさ、それは紙の本で言うと装丁のことなのか、それとも中身のことなんだろうかね?容れ物のことなのか、それとも中身のことなんだろうか?

D:たぶん、今言われているのは、ほとんど区別してないで言っているんじゃないのかね。

S:区別しないで言えることってなのだろうね?単なる「もてはやし」かね。バブル?

D:まあ、ネットで電子書籍って言っている人のほとんどが出版業界の人ではないので、イメージで言っているんじゃないの?

S:何とかコンサルタントとかね。はやりのことに乗っていて、今の旬です、みたいなことかね?

D:アンタはアクロバットが出る前から電子書籍って言ってたからね。今頃、訳も分からない奴が口を挟むなと。

S:好き勝手なことを言っても構わないんだけど。本屋さんに勤めている人がやる気をなくしたり、本屋の仕事をしようと思っている若者が、やる気をうしなうのなら、罪は大きいよ。

D:そのくらいで、ふらふらするようじゃ最初からだめなんじゃないの。でも、古本一個箱市とか、すごい参加者だっていうじゃない。古本だからかな?ブックカフェも流行っているし。

S:好事家なんじゃないの。流行っていると言っても、その手の雑誌にいくつか取り上げられている程度なんじゃないの。

D:鳥取の本屋さんが言っていたけど、普通の本屋さんは立地商売だけど、それでは勝てないと言っていたね。立地商売じゃなくて、隠れ家みたいに住宅地の真ん中でも来てくれるようにしないと、って。

S:でもさ、どうして書籍に関して誰でもかれでも発言できると思い込むんだろうか?

D:料理とかだったり、陶器とかだったら、そういうことないもんね。

S:アマゾンがネット陶器、印税70パーセント、無能な中間業者を排除する画期的な時代、とかって言わないよね。もちろん、ネットで陶器自体をダウンロードするということではなくて、作り手の他に送り出してがいたり、画廊や目利き的な人って必要だと思うんだけど。

D:まあ、単なる直販ということ以上のことはないよね。