リテラシー史研究第3号


谷崎潤一郎「人面疽」試論
柴田希

ほか。

和田敦彦先生より送っていただきました。

ありがとうございます。


リテラシー史というのは面白い研究ジャンルだと思う。関わりがあるのはどういう研究分野かと思って、数えてみると、たとえば、文学研究、文化史研究、歴史研究、都市研究、民衆史、書物史、図書館史、学術史、文化研究、国家研究、などなどとなろう。

問題は、こういってしまってはいけないのかもしれないが、文学研究者がなかなか偏狭なので、作品を自分で読むということ、それから読みを疑うということを自分に向かってはするが、どういう読みが社会的に生まれたのかということの膨大な、基礎資料にはいっこうに興味がなさそうだ、ということ。これは文学研究者だけではなくて、マテリアル的なものへの関心はあまり大きくないように感じる。また、マテリアル的なものに関心がある方は、何だかあまり連携されない。そういう個別個別の資料を愛してしまって、横をご覧にならないということかもしれない。

研究者としては、それも美しいかもしれないが、もし、本にしよう、商品として世に送り出そうと考えた場合、あまりに個々に蛸壺化されてしまうと市場ができないということになってしまう。