事業仕分け 「国際交流基金、見直し」

事業仕分け 「国際交流基金、見直し」

刷新会議の仕分け人の方向は、文化事業を文化庁国際交流基金でやっているのは重複していることに関して、調整せよ、そのために国際交流基金の事業全体を見直せ、ということ。海外に資金を800億円持っているということでそれを返却せよ、ということに、聞こえた。



全部、聞いていたわけではない。国際交流基金が、助成している日本語教育学会へ資金がなくなるかもしれないという話しを事前に伝え聞いていたけれども、そのことは特に触れられなかったと思う。全部、聞けていないので自信がない。

資金がなくなるということではなくて、日本語の普及を含めた文化事業全体の捉え直しを行うということでその中でゼロになるかもしれないということだろうか。

日本語教育は、文化庁と外務省(国際交流基金)からの資金によって運営されてきた。哀れまれてということでも、困っているところを救ってもらったということではなく、社会的に必要とされたから、日本語教育学会に資金を渡した方が効率もよく、成果が上がるから資金を提供されてきたということだ。その社会的な必要性は、変わることはない。

しかし、行政制度的に行政の機構がかわる。そのことは、変革への期待を持ってみるのなら、これまでのしがらみを解消する点は望ましいのかも知れない。省庁の壁は恐ろしくばかばかしいものであったのは事実だ。静岡駅前に総合施設ができたとき、商工会議所のある階と図書館がある階は、同じ階段では行き着けない設計になった。その理由は、商工会議所は経産省の助成、図書館は文科省の助成なので、両方に通す階段は、1つで2つの施設へ行く階段は、税金の効率的な利用なので作れなかったということがある。たしかに、そういうのは愚かだ。

重複に意味がないなら、1本にするということは望ましいに違いない。しかし、必要性に公共性があるものは廃止されてはならない。どういうやり方が本筋なのか、見識をもって、筋をとおしていく必要がある。筋を通せば、それでハッピーということではない。徒労に終わる危険性もあるけれども、ただ、黙っていればいいということにはならない。

少し勇ましい文章だが、実際のところは途方に暮れているところ。




asahi.com朝日新聞社

http://www.asahi.com/politics/update/1125/TKY200911250225.html


国立大運営費に厳しい指摘 事業仕分け

国際交流基金運営費交付金及び運用資金(121億円、外務省)

(結果)見直し

(理由)他省庁に重複事業があり、整理が必要


YOMIURI ONLINE(読売新聞)


http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20091125-OYT1T00581.htm

国際機関への拠出金「見直し」…事業仕分け

 外務省所管の独立行政法人国際交流基金運営費交付金と運用資金は「見直し」と判定された。同基金は海外での日本語教育事業や文化人招聘(しょうへい)などを行っているが、「毎年度予算措置すればいい」として、951億円の基金の国庫返納を検討するよう求めた。基金返納については仕分け人16人のうち13人が「全額返還」と判断したが、とりまとめ役の菊田真紀子民主党衆院議員が「外交上問題がないよう返還内容を精査してほしい」と求めるにとどめた。

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2009.11.26


2009.11.26
東京大学グローバルCOE「共生のための国際哲学教育研究センター」(UTCP)



http://utcp.c.u-tokyo.ac.jp/blog/2009/11/post-300/

【現場報告】大学の未来像 ― 行政刷新会議事業仕分け」 | Blog | University of Tokyo Center for Philosophy

西山雄二

人文社会科学の未来
私が驚いたのは、枝野幸男衆議院議員)氏の口から、「科学技術優先の研究競争も結構だが、芸術や……文学……哲学といった人文系の研究も大事ではないのか。こうした学問分野に対して、守りの姿勢だけでよいのか」との強い発言がなされたことである。中村佳子JT生命誌研究館館長)氏もまた、「人文社会科学の芽を重視するべき。科学が狭い意味での科学だけで語られることは問題だ」と強調した。