国会図書館のデジタルライブラリー体験『社会百面相』

1968年までの国会図書館デジタルアーカイブができた際にどんな感じかなーというものがもう国会図書館にあるんですね。近代デジタルライブラリーというのがあります。

今度刊行する『女ことばは女がつかうのかしら?』(仮)で、使われている資料の1つとして内田魯庵著『社会百面相』というものがあって、任利さんの本の装丁を考えていて、その『社会百面相』の画像をネットで探しているところで、国会図書館が本文をデジタル化して公開していることを知ったのです。

http://kindai.ndl.go.jp/BIImgFrame.php?JP_NUM=41009313&VOL_NUM=00000&KOMA=28&ITYPE=0

どうも挿絵のようなものは、ないようです。また、表紙の画像が国会図書館にはないようなので、原本に当たりませんと装丁用には使いにくいですね…。百つながりなのか百鬼のようなお化けのような絵があるようなのだ。



表紙の画像はどこかにあるのでしょうか。もう少し探してみます。



近代デジタルライブラリーに関して言うとあまり読みやすくないね、というのが実感。画像が荒い。たぶん、もともとの書籍が焼けていたので、文字を読めるようにするために、背景を飛ばした時に文字が荒くなってしまったのだろう。拡大すればいいということもあるが、元の大きさという物理的な感覚が単純になくしてもいいものなのか。もともとの大きさをどこかに表示するなどの工夫があってもよいように思う。どうも単にデジタルデータ化しているという安易な感じがするのだが、どうだろうか。

近世の版本であれば、とうぜん、焼けているであろうから、同じようなことが起こるのではないだろうか。デジタル化してディスプレイで見るということは、天国ではないのかもしれない。普通の目で現物を見たときには、人間の頭で処理する部分をスキャンで処理するとすると、単純にスキャンするのではなくて、画像を適切に処理する必要がある。うまく処理できないとあると言ってもいいかもしれないが読みにくい、読みたくもない単なるデジタルファイルを国会図書館アーカイブに蓄積することになってしまう。民主党も手を付けなかった補正予算127億である。ゆっくり使うという性格でもない。

127億を消化しようとして単なる流れ作業でスキャンした場合、どうなるのか。そんなに読みやすく使いやすいものはできないのではないだろうか。