大学での読書推進運動 図書館の可能性

大学での読書推進運動の記録です。今回は少し宣伝を入れています。でも、いい本です。


読書が危機だとよく言われる。日本の高校生も大学生も半数以上本を読まないし、読む本も圧倒的に少なくなっている。大学図書館の需要は下がる一方で、しかも大学図書館では人べらし、本べらしが深刻で、もはや知の蓄積と運用の態勢を維持できないところまで追い詰められている。いまデキルことは何なのか。図書館が頭をしぼって考えた読書推進運動は学生・教員を巻き込み、台風の目玉のように全学を席捲したフェリス図書館の七年間。


大学図書館の機能というと、論文を書いたりすることの支援ということが中心となる。それは当然のこと。大学生は、勉強するために大学に行くのだから。高校までの勉強とは違って、自分でテーマを見つけて、自分で考えるのが本分だ。

とはいうものの、18歳から22歳、あるいはもう少し年が上になるかも知れないけれど、10代後半というのは、悩む時期でもある。いろいろ、体系的ではないことをいろいろ知りたい時期でもある。そういう点で、学究的というよりは人生について、友人関係とかそういうことを悩む時期でもあるし、小説とか随筆とか読むような時期でもあるわけですよ。そういうのも学生。

と考えると普通の学校図書館公共図書館でやっているような図書館的な活動も重要なわけで、そのことがクリエイティビティの支援であるとか癒しでもある。そういう当たり前の活動の記録。

最初に、アメリカのシカゴ市で起きた。人種も階層も違う人々が図書館を通じて、街を立て直してということに啓発されて、運動がはじまり、はじまった後で学生を後押しし続けた三田村雅子館長の奮闘と学生のがんばりと図書館職員が後ろで支えたという感動的なドラマでもある。