学術書の本作りにおける仕事 スタッフとラインの融合

本作りといってもいろいろあって、その中でも学術書の本作りは、学術書の本作りの作り方がある。

学術書の本作りとしての面白さがあるし、たいへんさ、つらさもあるし、やりがいもある。

何が楽しいか、充実しているかというと、何か新しい発見とともにいることができるということと、それを世に伝えることに関わると言うこと、そういう発見をする人といっしょに仕事ができることが、学術書を作るときのやりがいだと思います。

たぶん、小説の本作り、児童書の本作り、一般書の本作り、さまざまな本作りには同じ本作りとして共通する部分とそれぞれで違っている部分があるでしょう。小さい出版社の立場で言えば、全工程見渡せるというのも面白さの1つでしょう。もし、ある部分だけのことが好きなのであれば、それは大きな会社の方がよいということになると思います。

専門性というものも仕事によって違います。最近、復刊された書籍で『ビジネス・ゲーム』という本がありますが、スタッフとラインという仕事を分けていて、スタッフはマネジメントに関わるラインの指示した仕事をこなす仕事で、専門性は必要とされるが、会社全体のことや経営のことについては関知しないので、スタッフは代替可能な仕事でラインは幹のような代替不可能な仕事といいます。

小さい出版社は、そういう発想とは違っています。専門性とマネジメントは近いところにあるのです。企画を立ててて編集することは、けっして代替可能な仕事ではありません。何かをスムーズにきちんと作ることにも創造性はあると思います。そういうたんたんとした仕事も経営にも深く関わっています。マネジメントが一番と思っているラインには、スタッフの仕事の意味は分からないでしょう。現場というものの意味はあります。現場が分からない経営だとその会社はつぶれてしまうでしょう。MBAが役に立たないことも多いです。

MBAと株主が、優れていれば、会社が繁栄するのなら、GMはつぶれたりしなかったでしょう。

さて、作る本が、日本語のテキストであった場合には、また、違った苦労、喜び、楽しさがあるはずです。現在、『「大学生」になる日本語1』の佳境ですが、最後の産みの苦しみの最中ですが、学術書の本作りとは違った要素があります。本ができたら、都内全国の日本語学校を回ります。それは、学術書を作ることにともないもろもろとはまた違うことでしょうが、それも面白いことです。

日本語学校を訪問して、教務主任の先生にお会いし、その教科書を紹介し、検討をお願いします。その後、少し間をおいて訪問させていただくことになります。決まればうれしいですし、もし、今は使えないと言うことであれば、それはなぜなのか、どういうものが求められているのか、お尋ねしていくことになります。現場自体の発見したい。そういうことは、日本語教育の研究書を作る際にも役に立つことだと思います。