落語 締め込み こちとらな、堅気の職人だい 


こちとらな、堅気の職人だい、口きくのめんどくさいわい。てめえの、な、むねと相談して出て行け。変なことぐずぐずいうことはねえや。はやいはなしがいいや、あのつつみとそうだんして、あのふるつつみとそうだんして。

編集者というと説明したり、いろいろと話したり、プレゼンテーションがうまいというイメージがあるかもしれない。あまり話さないタイプと話すタイプの編集者の編集者がいるかもしれない。確かにそういうタイプの人もいる。しかし、私は、口は達者ではないではない方のタイプの方に分類されるのではないかと思う。滑舌は悪いし、どもり気味でもある。編集者というシゴトは、企画を立てるという要素、クリエイティブと言ってもいいかもしれない、プレゼンもうまいし、話しを聞くと説得されてしまいそうなくらい。そういうタイプもいるかもしれないけれども、編集という仕事には職人的な要素が混じっている。黙々と原稿を読んで、割付をしている方がいいというタイプも多いいんじゃないだろうか。

職人的気質からすると説明するのも、口説くのもめんどくさい。一方、何かをこういうものを作れるんじゃないかと考えるのは楽しいこと。大学の先生を相手にしていると、先生方はしゃべる商売だから、話しをするのは得意な方もいるのかもしれない。

しゃべるのが商売とこつこつ作るという商売は、対極かもしれない。職人気質からすると、最初の話しのように言ってしまいたいものだ。堅気の職人だい、しゃべらせるんじゃないとかなんとか。