雰囲気から丸ごと伝える言語表現 桂文楽

日本語表現法であるとか口頭表現法であるとかプレゼンテーションの仕方というようなスキル系の授業・研修だと明確・明晰・理路整然ということを求めると思う。ビジネス系の研修もそうだろうし、大学の授業などもそうなんじゃないだろうか。

でも、そうすると明確にはなるけれども、どうも味気ないという印象を与えるように思うし、一生懸命になればなるほど、押しつけがましくなる危険性がある。味けというのが、重要なんじゃあないのかと思ったりする。

説明された時、その情景がまるごと頭の中に浮かんで、さらにそれが心地よい声であったら。声が複数で、ポリフォニックで、リズム感のあるものであったら。そういう声でプレゼンしてみたい。説得力も増すのではないか、などと八代目桂文楽十八番集を聞きながら、思っています。

合理的な説得よりも味のある説得あるいはシンプルに話し方というのが大切なような。そんなこと当たり前だ、とおっしゃるかもしれません。私は、どうもバカだね、やっと気がつきました。話し方が、見事で味がある。喧嘩の話しでも、余韻があるし、含蓄のある喧嘩になっていて、こういうのがいいんだな、と感じさせられます。