トルコのもう一つの顔  小島 剛一

myougadani2008-09-04

ことばに関する本ということで、どんな本が面白いですか、と言われたときにいつも真っ先にあげる本は、『トルコのもう一つの顔』だ。内容は、言語学の話しではない。言語学徒の話である。

トルコ語に引かれた著者は、トルコの片田舎のことばに興味を持って、都会から離れた街を訪れるようになる。そのうちに、不思議なことばが話されていることに気付く。そして、フィールドワークにのめり込んでいく。

研究の本と言うより、ことばにとりつかれた人間がそのことば故に巻き起こしていく波乱の中を切り抜けているミステリーのような本。映画化されても面白いではないかと思える。映画としては良くできている『ミッドナイトエキスプレス』という映画があったが、それよりも格段に面白い映画ができそうである。