フェリス女学院大学図書館の挑戦
フェリス女学院大学図書館の挑戦という内容の本を3月までに刊行します。
これまで、大学図書館の役割は、研究を支援する情報検索ということが中心に考えられてきたと思います。それこそが、必至な役割であると。
研究を支援するということでは、教えている立場である研究者に対してということになるのですが、それと同時に学生にとっての大学図書館というものの意味も重要なことだと思います。
学生に対しても情報検索の支援ということももちろんあります。それだけではなくて、もっとベタなこと。学生が本と一緒に楽しんだり、何かを作り上げていくということも重要なことではないか。フェリス女学院大学では、読書会を行っていますが、そういうことは、高校までの学校図書館がやることであると思うでしょう。大学になったら、もう、研究すること、学問すること、調査することがメインである、と。
たしかにメインであってもよいのですが、本とのもっとベタな付き合いがあってもいい。そのことが、学生が大学で過ごすことの楽しさを知ることでもあり、知的な活動を盛んにすることでもある。
研究ということを狭く捉えすぎ無くてもいいのではないか。本を読むという体験を調べることだけに限定しすぎない方がいいのではないか。情報検索というと道具という気持ちが前面にでてきてしまいますが、手段ではないこと、体験をはぐくむとか、感じるこころか、あります。そういうことを促すというようなことも、大切なことです。
そういう具体的な活動を紹介していく本になると思います。
フェリス女学院大学図書館
http://www.library.ferris.ac.jp/
フェリス女学院大学図書館の読書運動
http://www.library.ferris.ac.jp/library/reading_j.html
出版不況であるとか、読書離れであるとか、なげくことは簡単です。また、一方でシニカルに出版ギョウカイ的な読書推進運動について、下らないことであるかのように、切り捨てることも簡単だと思います。そういう単なる慨嘆や嘲笑ではなくて、本を読んでいく具体的な活動の面白さ、かっこよさ、大切さを知ってもらいたいというのが、出版の目的ということになるでしょう。フェリスの大学生たち、教員の方々の活動を紹介できる本にしたい。