憲政記念館へ行く。国会会議録検索システムの本

BDと国会議事堂のとなりの憲政記念館へ行ってきました。

来月刊行する予定の『国会会議録をもちいた日本語研究』のデザインの素材を探すためです。国会会議録は、帝国議会いらい速記者が記録した会議つまり国会での議論のデータです。議論のデータといいましても、速記者が聞いてそれを文字に記録していますので、純粋な口語ではなく、また、100パーセントの書き言葉でもありません。

http://kokkai.ndl.go.jp/
国会会議録検索システム

記録としても面白いものでしょう。ある組織の会議の記録が全て残されているということを考えてみると不思議なことです。朝礼の後のミーティングの会議録が全て残されているというようなことは考えられないことだと思います。それとは性質が違うわけですが、全て、もちろん、公開できるものでですが、残されている。

量的にも恐るべき量であるわけです。日本全国の各地から集まった方々が、話している会話を集めたものということ。

今回、シンプルな装幀ではなく、いくらかデザイン性持たせたいと思ったのは、言語資料の研究書ですが、いろいろな副次的な関連があるのではないか、という期待と予感があるからです。

たとえば、中学生や高校生の学校での政治の授業で、地元の議員の発言を調べてみましょう、というようなことをする際にこの国会会議録はたいへん大きな力を発揮します。本書が、政治的な議論を考える際にヒントになるような社会科の先生方を助けるような主旨の本ではないのですが、発言の言語的な性質を知っておくことのためには有益な書籍です。

あるいは、議員の思想史的なことを実証的に調べることや、それこそ、年金の天引きについて議員たちが実際に反対したり、きちんと議論をしていたのか、ということを知ることに会議録は使えますから、そのための入り口にもなるのではないか、と思います。

そういう発展性や広がりがあるだろう、ということを予感して、少々デザインに力を注ぎたいと思うわけです。デザインの担当はBTです。よろしく。

たぶん、大丈夫だと思いますが、衆議院の解散の前には刊行したいと思っています。

追記

刊行しました。
国会会議録を使った日本語研究
http://www.hituzi.co.jp/books/299.html