国会図書館館長長尾真先生の発案と投げ銭HPのコンテンツの移動

1998年に提案した(たぶん)投げ銭システムというものを考えた私自身の発端は、国会図書館に書籍を紙だけではなく電子的にも納品することになったら、どうなるのだろうか、ということであった。

コンテンツが、だれでも望むように手に入るようになった時に、出版や編集ということはどのように可能になるのだろうか、と思った。内容は無料で手に入るとしても、その本の内容を書いた人や送り出すということについてのいろいろなことがらについて、それがもう少し先まで続けていくことを望むのなら、そこにカンパのような、ささやかな支援を送ることのできるような仕組みを作ることができないものだろうか、という思いつきであった。

私はそのことを中心にこれまでずっと考えてきた。

デジタルの時代において書籍はどのようにあるべきなのだろうか、ということ。

そのことを考え続けてきた10年間であったといってもいいと自分では思っている。

昨日、出版学会のシンポジウムがあった。

国会図書館館長である長尾真先生の発案が、新文化で地方小出版流通センターの川上さんによって、三田誠広さんの発言を引くカタチで、長尾先生が、国会図書館でデータをデジタル化したものを地方の公共図書館で見ることが出来る仕組みを作るような提案を行っていて、それが成立すると零細出版社にとっては壊滅的だと書かれていて、ショッキングないい方で、関心を持っていた。

その長尾先生と出版に関わる側のシンポジウムであった。長尾先生のお考えは、公共図書館で購入して所有してそのままみることができるようにするのではなく、公共図書館は、コンテンツをその1冊として購入するのではなく、利用者が読みたいと要望を出した際には、有料(50円くらい)で、その利用者が読む期間だけ閲覧可能にするというようなお考えであった。

従来の購入の仕組みとは違うので、どう受け止めるかについていろいろな考えがあることだろうし、慎重に議論しなければなるまい。ただ、実際に公共図書館の購買力の予算が増えないという前提で、その中で所有ではなく閲覧ということだけを切り離して見てはどうかという提案は検討する価値のあることだろう。

98年から10年という時代の変化を受け止めて、これからの10年を考えたい。

というタイミングで、投げ銭サーバーの移動をはじめた。手続きは、すんでいたのだが、サーバーを移動するためのもろもろの手間を掛ける時間がなかったので、日曜日に思い切ってやったというわけ。


http://118.82.79.243/