言語政策ウオッチ_「国語に関する学術研究の推進について」報告(案

「国語に関する学術研究の推進について」報告(案)に関する意見募集の実施について

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1010&BID=185000305&OBJCD=1&GROUP=

とのことで、任意の意見募集が開始された。

率直にいうと国立国語研究所独立行政法人から、大学共同利用機関に移管することを後付けしなおしたものということができるだろう。移管ということも大きなことであり、それをせめてものこととして追認することによって、それ以上の後退がないようにさおさしたものである、ということが言える。

その意味では関係各位の努力は、文科省内部や関わった研究者の方々の労をご苦労様と申し上げたいと思う。

ただ、独立法人という社会的な地位を守れなかった現状で何を言ってももう遅いことかも知れないけれども、言語政策を担う機関という位置づけは失われてしまった、ということは仕方のないことであるのだろうか?

日本語教育については、大学でやっているので、別途とするということであるが、国際交流基金などが言語教育における研究と言うことは行っていないのが現状であることを考えると別途というのはどこなのだろうという疑念を感じる。

言語教育と言語研究と言語政策の連携の中での研究ということは見果てぬ夢なのであろうか。これについては、報告の問題と言うよりも、これは大学という組織の中での日本語教育の位置を追認した、ということなのだろう。日本語教育と国語教育の連携、さらに言語学と日本語学の連携と言うことを願ってきたのに。

言語学と言語教育というシリーズを出している出版社として、これはこまった。ひつじも撤退した方がよいか?

日本語教育はどこが研究するのか?

旧来のアカデミックな意味での日本語研究は残ったわけだが、この10年という近い時期に行われてきた様々な研究はどうなるのか。

むしろ、日本にマックスプランク研究所のようなアジアにおける言語研究のメッカを作りだそうというもっと大きな主張をするべきなのか?

言語政策学会と日本語教育学会はせめて、建設的な声明を出すべきではないだろうか。もし、国立国語研究所から言語政策と言語教育が消えてしまうのなら。言語政策に関する研究機関を別に作り出すべきだ。