「丸山真男」をひっぱたきたい、を読む

2007年の論壇(?)で、持ち上げられていた「「丸山真男」をひっぱたきたい―31歳フリーター。希望は、戦争」(赤木智弘論座」2007.1)を小石川図書館にリクエストして取り寄せて読んだ。



何よりもキツイのは、そうした私たちの苦境を、世間がまったく理解してくれないことだ。「仕事が大変だ」という愚痴にはあっさりと首を縦に振る世間が、「マトモな仕事につけなくて大変だ」という愚痴には「それは努力が足りないからだ」と嘲笑を浴びせる。何をしていいか分からないのに、何かをしなければならないというプレッシャーばかり与えられるが、もがいたからと事態が好転する可能性は低い。


持つものは戦争によってそれを失うことにおびえを抱くが、持たざるものは戦争によって何かを得ることを望む。

持たざるものを、努力が足りない、といって排撃してしまう世界とは何だろうか。バブル崩壊という本人の責任とはいえない社会状況があったゆえに、非正規雇用が求められたのであって、そのことは本人の責任ではない。もし、バブル崩壊に責任があるとしたら、それはバブルを引き起こし、バブルに恩恵を受けたものどもであろう。

とすると彼の批判はもっともであることになる。