情報アシスト

「情報アシスト」というを考え方を提案したいと思うのです。

編集者という立場から直球で説明します。

私は、本を作っています。出版社で編集者をしています。本を作る世界には、出版社以外の方もいるわけです。本を作る商売としては、作家、著者という人がいます。そして、製本や印刷も本を作る人です。

インターネットの時代になって、情報発信者と情報受信者が直に結びつくことができるように(一応)なりました。そのこと自体とてもよいことです。当然、インターネットを編集者は使っています。新しい著者を探すのにも使いますし、何かを調べるのにも使いますし、本ができたあともプレスリリースやいろいろと使っています。

インターネットを使っているわけですが、世の中的には、かなり情報を発信しているような情報についてよくわかっていると思われるような人でも、気安く「インターネットがあれば、本は要らない」という人がいます。

情報がネットに出ていて、それがアクセスできるのであれば、その間に仲介をする人は不要だというのです。情報についてよくわかっているような方でもかなり、そのように思いこんでいる場合があると思います。

「情報がネットに出ていて、それがアクセスできる」世界というのを想定することは可能です。でも、それは、抵抗のない世界や重力のない世界のように、想定できるということに過ぎないのではないでしょうか。現実的には無理です。

googleは偉大であり、それがない世界など今や想像も付きません。何か知りたいことがあれば、まず、googleで調べるというのが、習慣になっています。

でも、それが書籍が不要であったり、あるいは図書館が不要と言うこととは違うと思います。編集者や司書は不要ではないし、言い換えると編集という機能やリファレンスという機能は必要です。

(ワインの場合で言えば、醸造主と顧客だけで、ワインの世界があり得るでしょうか、という問いと同じ?)

情報は一人で何でも見つけられるわけではないし、アクセスできるものではない。誰かの手助け必要です。あるいは1人+アルファであった方が、よりよいものが生まれると思います。

ワインの飲む場合でも、そこそこの知識があったとしても、ソムリエやワイン店主や批評家のアドバイスは有効でしょう。

さらにいいますと、情報を作るという時には、そもそも、手助けを必要とするものではないかというのが私の問題提起です。

(この文章はミクシーのコミュニティに書いたものに手直ししたもの)

ミクシーの情報アシストのコミュニティ
http://mixi.jp/view_community.pl?id=408950