『現代日本語書き言葉均衡コーパス』完成に思う
国立国語研究所の『現代日本語書き言葉均衡コーパス』完成記念講演会に参加した。
書き言葉コーパスが完成したということは、ひとまず、現代的日本人のエクリチュール(書記活動)の世界が切り取られたということだと思います。恣意的ではなく、代表性を担保して作られているコーパスである。
これは大きな事件だと思います。言語研究者・情報処理研究者という部族たちに限らない大きな事件です。
たとえば、文学研究者にとっては、作家の文章と一般的文章の差異についての仮説を立てることが出来るでしょうし、現代的日本人の一般的書きことば能力が反映しているはずであるので、国語教育としてどういう水準を目指すかという議論を行うことができる、ということはそれを目指して国語政策を具体的に論じることができるようになるということでもあります。日本語ネイティブのための国語教育で目的言語能力水準を設定することができるのか、などなど。
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2011年8月2日・3日
『現代日本語書き言葉均衡コーパス』完成記念講演会
前川 喜久雄(国立国語研究所)
特定領域研究「日本語コーパス」と『現代日本語書き言葉均衡コーパス』
山崎 誠(国立国語研究所)
『現代日本語書き言葉均衡コーパス』の構築と活用
佐藤 宏(小学館)
国語辞典編集とコーパス
宮島 達夫(国立国語研究所)
コーパスによる日英比較
詳細はこちら
松本 裕治,浅原 正幸(奈良先端科学技術大学院大学)
コーパス管理・検索ツール「茶器」とタグ付きコーパスの開発
伝 康晴(千葉大学)
形態素解析用電子化辞書UniDic: 達成と可能性
田中 牧郎(国立国語研究所)
言語政策に役立つ語彙分類
―『現代日本語書き言葉均衡コーパス』と「教科書コーパス」による―
曹 大峰(北京日本学研究センター)
海外の日本語教育からみた均衡コーパス
―日本語教材の評価・比較・編集―
アンドレイ・ベケシュ(筑波大学)
副詞による括弧構造とその文脈における役割について
プラシャント・パルデシ(国立国語研究所),赤瀬川 史朗(Lago 言語研究所)
BCCWJを活用した基本動詞ハンドブック作成
―コーパスブラウジングシステムNINJAL-LWPの特長と機能―