力を持つResearch Assessment Exercise
『本を生み出す力』(佐藤郁哉ほか 2011)によれば、RAEというイギリスの学術研究の評価法が研究助成において影響力を持っているとのことです。『本を生み出す力』によれば、書籍を書くことには価値が置かれず、学術雑誌論文に大きな価値がおかれると言っています。
http://www.rae.ac.uk/
Research Assessment Exercise
Books in the digital age(John Thompson 2005)によれば、RAEは、学術単行書(モノグラフ)は評価するが、大学生用の教科書執筆には全く価値をおかないので、その結果、単著は出そうと思うが、イギリスの研究者は教科書を書きたがらないと述べています。先日、イギリスの高名な学者に方にお会いしました際に、教科書を書くのはたいへんなのだが、イギリスでは教科書執筆は若い研究者はやりたがらないと言っていました。
評価基準というものは、もともとは外在的なものであったはずなのに、いつの間にか学者の内的なモチベーション、学者文化までを既定してしまうほどに威力を発揮するようです。
このように評価というものはとても力を持つので、評価軸自体を評価することも必要ではないでしょうか。
『日本語教育のためのプログラム評価』
札野寛子 著
A5判上製 6600円+税
ISBN 978-4-89476-558-0
http://www.hituzi.co.jp/hituzibooks/ISBN978-4-89476-558-0.htm