荷風忌

荷風忌に行きました。4月の30日。大勢でした。300人ほどはいたでしょう。三ノ輪の浄閑寺。三ノ輪は学生の時から、よく通っていた駅なのですが、はじめて歩きました。これまで、都電の出発点として何度か降りたこともある駅であったのに全く縁がなかった。浅草も南側からしか見ていなかった。花川戸もはじめて歩いたし、日本堤もはじめて歩いた。

浄閑寺は、吉原の遊女の投げ込み寺として知られていますが、日比谷先生の講演によれば、むしろ手厚く葬っていたので、投げ込みではないとのこと。




講演された日比谷孟俊(ひびや たけとし)先生は専門は、システムデザイン。先祖が吉原で妓楼を経営していたということから、吉原研究をはじめたとのこと。

http://www.sdm.keio.ac.jp/faculty/hibiya_t.html

荷風忌に限らず、作家、学者の年忌に参加したのははじめて。過去に亡くなった人との縁をあえて作ろうとしていることになるわけですが、私自身壮年の模索の過程の中にいるということだろうか。しかしまた、私が若い頃に、過去とつながることが出来れば、ものの見方がもっと深くあることができていたのではないか、などと思っているのです。こういう風に思うこと自体が、老年への入り口であるのかもしれない、などと。