『「大学生」になるための日本語』イベント第2弾 in大阪!

出版社というのは、全ての書籍が1冊1冊大事です。


大事であるとともに1冊1冊、位置づけが違うと言うこともあります。


内容について申し上げれば、実験的で新しい取り組みのものを刊行するということは、新しい研究を支援するということになりますし、新しい研究重鎮的研究者の本は、その研究分野のスタンダードなものをきちんと世の中に定着させるという意味があります。比較的読者がしっかり存在するものは、きちんと売りたいですし、読者がまだ未開拓の研究書であれば、損をしないように売っていく必要があります。それぞれ、採算の取り方は違っているというわけです。このような内容もそうですが、組織としての捉え方としてもそれぞれの立場があります。


著者の方は心外に思わないでほしいのですが、たとえば、新入社員教育のために採算についてはあまり重要視しなくても、第1冊目として勉強になるという要素がある場合があります。採算性は70パーセントで組織的な必要性が30パーセントというようなことがあります。思惑と言いますか...


たとえば、ひつじ書房の話しではありませんが、採算を採るよりはその社のジャンルの多元化のために出すということがあるでしょう。たとえば、文学の研究書を刊行するところが、言語学の書籍を出すという時に、顧客のリストを作るためであったり、こういうジャンルも手がけますよ、と伝えるために出すとしたら、売上げよりも告知の方に比重を置くということです。


なかなか理解されにくいのは、そのジャンルで生きていく、継続的に刊行していくと決めた場合、そこは商売の主戦場ですから、採算を度外視することはできないということになります。継続することが困難な値段で出してしまうと継続的な事業としての出版事業が継続されなくなってしまうと思うのです。


ここでは日本語教科書の話しをします。『「大学生」になるための日本語』は、教科書という出版の性格もありますので、ひつじ書房に利益をもたらしてほしいというバックグランドを持っています。内容的に優れているものですのでたくさん売れてもらいたいわけですが、現状の中ではなかなかパッと売れていくと言うことが難しいというのが現状です。


それでも、少しずつかつだんだんと売れていってほしいと思っています。ナマ教材を元にして、留学生の日本語の読む力、話す力、聞く力、文法を活用する力を伸ばしていくという主旨の本書が広まってくれることは、新しい日本語教育が生まれることを招来します。そのことによって、ひつじ書房日本語教育への出版がより活発にできるようになり、いろいろな挑戦的な研究書、入門書などを作っていくことができます。そういう意味で、社運をかけた日本語教科書なのです。売れてほしいです。


知られていってほしいという願いを込めて、今週末ですが、凡人社大阪営業所さんの主催で著者のお二人によるイベントがあります。日本語教育に関わっている方は、どうぞよろしければ、ご参加下さい。以下は紹介文です。

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『「大学生」になるための日本語』イベント第2弾 in大阪!

 


先日の凡人社麹町店での店頭イベントに続く『「大学生」になるための日本語』イベント第2弾を開催します。

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一昨年10月にひつじ書房で初めての、日本の大学への進学を希望する日本語学習者向けテキスト『「大学生」になるための日本語1』を刊行しました。そして、昨年11月にそのかたわれの『「大学生」になるための日本語2』を刊行しました。「文法とタスクの融合」を目指しているところを始めとして、読解・聴解のひとつひとつにおいて、大変画期的なテキストです。
完結して5ヶ月が経とうとしていますが、みなさまにもっと『「大学生」になるための日本語』というテキストのことを知っていただくため、好評だった東京での開催に引き続き、大阪でもイベントを開催いたします。
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今回も著者の堤先生と長谷川先生におこしいただき、「大学生」になるということ、またそのための日本語とは?ということから、本テキストのこだわり、「教える先生方に工夫していただいてこそ」の本テキストの教え方のヒントを伝授します。 お手にとってくださった方も、そうでない方も、本テキストをくわしく知ることのできる絶好の機会ですので、ぜひおこしください!

★イベント名

「留学生の日本語力を高めるために 『「大学生」になるための日本語』を使用して」

大学進学希望の学習者を対象にした『「大学生」になるための日本語』1・2巻は、茂木健一郎福岡伸一を始めとした豪華な生教材によって各学問分野にふれながら、N2程度の文法が学べる総合テキストです。また、文型練習の例文には「場面(タスク)」がつき、文法とタスクの融合も目指しています。当日は、自然な会話を収録したCD等、様々な工夫のつまった本書の概要、授業展開ポイントを具体例とともにお話しします。

〈講師〉
堤良一(つつみ りょういち) 岡山大学准教授
長谷川哲子(はせがわ のりこ) 関西学院大学准教授

〈日時・場所〉
2011年4月9日(土) 14時半~16時(受付開始14時)
於 愛日会館
大阪市中央区本町4-7-11
・地下鉄御堂筋線本町駅」4番出口
・地下鉄四ツ橋線「本町駅」25番出口
・地下鉄中央線「本町駅」17番・20番出口
※駐車場はありませんので徒歩でご来館下さい。
定員:60名
参加費:1000円(当日会場でお支払いください)

★お申し込み・詳細についてのお問い合わせは凡人社大阪営業所まで
TEL:06-6264-8140  FAX:06-6264-8152
E-mail osaka@bonjinsha.com WEB http://www.bonjinsha.com
●お申し込み受付の際に予約受付番号をお伝しますので、必ず番号をお控えください。当日その番号のない方はご参加いただけない場合がありますので、ご注意ください。
●FAX,e-mailでお申込みの際は下記事項をご記入の上、お申込み下さい。

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イベント名(開催日):
お名前:
御所属:(差支えがなければで結構です)
ご住所:〒
お電話番号:
FAX番号:
メールアドレス:
http://www.bonjinsha.com/event/