女性のことば・職場編、男性のことば・職場編の合本 その1

『女性のことば・職場編』、『男性のことば・職場編』の合本を作ることにしました。


『女性のことば・職場編』を刊行したのは、1997年。かなり昔だったということです。コーパスということはそれほど叫ばれていなかったと思います。『女性のことば・職場編』の本にはデータがFDで付属しています。なんと言っても、今ではFDは使われなくなってしまいました。さらに、もう今の方は知らないことでしょうが、付属したFDは2DDなのです。2DDって、分かりますか? 分からないでしょうね。


2DDにしたのは、2HDではPC98でもIBMの互換機でも読める共通したフォーマットがなかったからでした。その当時、NECの2HDは、1200 Biteで、IBMのフォーマットは1440 BIteでした。したがって、NECのパソコンではIBMのフォーマットは読めず、IBMのパソコンではNECのフォーマットは読めないということになります。それでも、2DDについては740 Biteで読めるようになっていて、それだけがNECでもIBMでも読めるフォーマットでした。その後、日本ではNECのパソコンでもIBMのフォーマットを読める3モードフロッピィディスクドライブというものが出ましたが、その時は確かそれでもIBM系のドライブではNECの2HDは読めなかったと記憶しています。


どっちからでも大丈夫なのは2DDしかなかったのです。したがって、2DDのFDを付けたわけです。


3モードフロッピーディスクドライブ


3モードフロッピーディスクドライブとは、通常、3種類のフォーマットにアクセスできるフロッピーディスクドライブのことである。
世界的には以下のものが一般的である。
3.5インチ、2DD(720KB)、2HD(1.44MB)、2ED(2.88MB)
日本では以下のものが一般的である。本稿では以下、こちらを説明する。
3.5インチ、2DD(720KB)、2HD(1.23MB)、2HD(1.44MB)

(Wikipedeiaによる)


しかし、2DDというものの存在が忘れられ、大学図書館から、貸し出しをしたが、FDが壊れていて読めない、という問い合わせを何度ももらいました。ちなみに、ひつじ書房は、学校図書館などでデータ付きの本の貸し出しを認めています。そのための条件は、書籍と同じように貸出期間が終わったら、データも返却してほしいというものです。見てもよいわけですが、所有したい、手元にデータを置きたいのなら、買ってほしいということです。書籍と同じ考えです。


図書館には、昔のパソコンがあるのなら、それで見て下さいというと解決したのか、再度の問い合わせはありませんでした。


かつまた、『男性のことば・職場編』はCD-ROMが添付されていますが、実は、購入してもらえばわかることなのですが、このCDに『女性のことば・職場編』のデータを入れてあるのです。これは、スペシャルサービスなのです。2冊買ってもらえば、同じことなので。


ということなので、以前、電話で『男性のことば・職場編』には『女性のことば・職場編』のデータが入っているのですか、という電話の問い合わせがあった時に、私は電話口で激しく泣き、悲しくなりました。『女性のことば・職場編』を買わないですませられるのなら、すませようという意図が見え見えだったからです。このデータの価値は、『女性のことば・職場編』のデータの価値は3500円以上あると思います。それを買わないですませようというのは、研究者魂の風上にもおけません。私は、そういう人は研究者とは思いません。きついことばになってしまいますが...



(つづく)