見積単価算出根拠について
11月(2010年)のスタッフ日誌です。海老澤が書いてくれました。研究成果公開促進費を申請する時に、作る見積書に付属する「見積書 見積単価算出根拠について」の記入例です。
http://www.hituzi.co.jp/staff/staff-nisshi.html
組版の困難さを等級付けするということです。ひつじ書房は、言語学の出版社ですので、日本語以外の言語が混じります。欧文、英語であるとかドイツ語やフランス語、それからロシア語がありますし、スラブ系の言語ですとまた違った文字を使うことがあります。
欧文と日本語が混じっていることを「和欧文混植」といいます。これで、和文だけの時よりも数倍難しくなります。DTPソフトに流し込んでいるだけじゃないのと思うかも知れません。それでは読みやすいページにはならないのです。
和文と欧文では文字の大きさ、中心になる位置が違っています。字の幅の設計をするときの単位が違います。
欧文だけでもたいへんですが、中国語、韓国語であるとか、アジア系の文字もあります。欧文と和文と中国語ということになれば、非常に難しいと言うことが分かるでしょう。そういうのが普通なのです、言語学の場合。
学術書が電子書籍が容易にできないと思うのは、それぞれのページの中で微調整しているのを、どんな文字の大きさでも、横長でも縦長でも読みやすくするということが非常に困難であると予想するからです。
さて、
研究成果公開促進費「見積単価算出根拠について」の記入例を作って見ましたので、どうぞ以下をご覧下さい。
http://www.hituzi.co.jp/jyoseikin/mitutanka.jpg
色校について、書籍を作る場合、色校とは本文がカラーでなくても、表紙やカバーで多色刷りをする場合に通常、行います。ちゃんとした色合いの本にするためには必要な過程です。
ちょっと悩ましいのは、書籍を作る全体的な流れがあって、この「見積書 見積単価算出根拠について」があるのだろうか、と思うことです。この文書の中の配列がどういう意図なのかが分かりませんし、どうしてこのようなトピックを選んだのかも釈然としないところがあります。
学出出版に関わるところが、意見書なりをお送りするべきなのかも知れない。できれば、大学出版部協会でやってほしいところであります。