踊る大捜査線3 現場礼賛

踊る大捜査線3』を見に行って来ました。

誰かが前に言っていましたが、この映画・ドラマのテーマは、本社と支店の葛藤のことだと。高圧的かつ現場の分からない、かつ人間のこころの機微のわからない本社VSこつこつ、たたき上げ、人の心の機微を知っている、警察官としての倫理をきちんと持っている頑張る支店、実際に販売し営業する現場のドラマである。、ということ。

ここでは、犯人とたたかうのが主眼ではなくて、むしろ本社にしいたげられ、本社とたたかう現場の人々というのが、『踊る大捜査線』のテーマだというわけです。

この構図は、この映画が良くできているかどうかは別にしてなかなか重要と思います。

また、この構図からすると犯人は、非人間的で、犯罪を行うためには手段を選ばず、という点で、本社の人々と共通点があります。青島たちは、現場を理解しない、本社と闘わざるをえません。敵としてシンプルすぎてもリアリティがないので、室井という職人肌のキャリア官僚を置いていますが、その人自体が、沖田艦長のようで象徴的な存在に過ぎません。

小泉今日子扮する日向真奈美という敵役も、エキセントリックさを強調していますが、奇人として理解されてしまうようになっていて、そのものの存在のリアルさは、抑えられています。日向真奈美は、笑い声は狂気的で存在感がありますが、もう少し挑戦的であってもよかったのではないでしょうか。

現場主義、というのは、私は貴重な視点だと思う。現場性というものをもう少し掘り下げることができれば、と思うが、具体的に『踊る大捜査線』という大きな、ポピュラリティを持っている作品でなかなか難しいのかも知れない。

    • -

関係ないですが、荻窪春木屋にはじめて参りました。おいしかったです。出かけて食べる感じかな。