電子書籍のレイヤーについての考察(案)

文字列と本文の区別が付かず、現時点での電子ディバイスが文字列しか表示できないので、縦組みとかルビはいらない、というコンピューターに人間を合わせようという、GUIのパソコン以前の発言をされている人もいるようだが、それは無教養と言おう。


紙の書籍の上に電子書籍を夢想しよう。紙の書籍の世界を破壊するのではなくて、その延長上に紙の書籍と電子書籍の関係を考えたい。



電子書籍のレイヤーについての考察(案)

1 テキストベース
2 レイアウト・メディアペース
3 アプリレベル(動画、計算による表示)


電子書籍にするのはコストがかからないという誤解があるけれども、まず、2のレイアウトレベルを実現するのに現時点ではテキスト中心の書籍以外は難しいだろう。テキスト中心だけれども、禁則処理や約物の表示についてはどうなるかは、わからない。英語で現状を把握したいと思っているが、これはiPadが発売された段階で、kindleも購入して、実際に見てみたい。『考える人』にでていたkindleの写真だと欧文フォントの字間が均一に見えたけれども、文字幅の設定を一定にしているのだろうか。これはこれでいいのか、それともそれでは表現できないというべきなのか?

現時点で、紙の書籍と電子書籍電子書籍についてはプラットフォームごとに作らなければならない)の複数の製作となるので、製作コストは、数倍になる。3倍であれば、極端に言うと1年間に9冊担当する編集者が3冊しか作れないことになる。しかも、ストレスフル! 並行して作れるのは、学術書ではなく、文庫本、新書のようなものだろう。


3のアプリレベルの書籍が作れると面白い。手話の研究とか、ジェスチャーの研究、非言語コミュニケーションの研究などのものは、企画を立てうるであろう!しかし、普通のテキストと図表レベルであれば、2のレイアウトまでで十分かも知れない。電子書籍にしたことの有効性はないかもしれない。


個体・単体レベルの外側に

4 ネットワーク化
5 マップ化

ここまでで、ハイブリッド書籍というものができてくる。マップ化というのは、先日、山本貴光さんたちがやっていたプロジェクトのようなもの。


6 ハイブリッド書店
7 ハイブリッド書店街

次に、ハイブリッド書店・ハイブリッド書店街というのを夢想しよう!