Oxford Style Manualをみんなで毎週読んでいる

ひつじ書房では、現在、Oxford Style Manualを編集部みんなで毎週読んでいる。一段落ずつ一人に割り振って、英語を日本語に訳す。このOxford Style Manualは、本や論文のルールが書いてあるマニュアル的な本としては、Chicago Manualと双璧とされている。どっちがよいといえるものではないが、私はOxford Style Manualの方がChicago Manualよりも分かりやすいと思う。Chicago Manualは、こうするとルールだけが書いてあるのだが、Oxford Style Manualは、説明が書いてある、わずかだが。

「通常、大見出しから章中の階層分けのレベルの見出しまでを含むような詳細な目次は必要ない。中見出しや、それよりも下位レベルのものは目次に入れない。詳細に項目をあげたいと思ったら、それらを入れるのに正しい場所はインデックスである。」

目次についてOxford Style Manualによれば、教科書でもなければ、詳細な目次は必要がない、ということだ。たしかにシンプルなのはよいのだろうが、中レベルの見出しもないとなると本当に簡潔なものになる。ひつじ書房の研究書は、Oxford Style Manualとは違って節や項までの見出しタイトルを入れている。

Chicago Manualには、どのレベルまでというようなことは具体的には書いていない。しかしながら、例として図示されているページを見ると章タイトルよりも小さいレベルの見出しは目次に載っていない。とすると簡潔にするのが一般的なルールなのかも知れない。ただ、その例があまり詳細でないのは単にスペースの都合に過ぎないのかも知れない。意図が今ひとつ判然としない。

本の構成という自分の仕事に近い領域なので、英語が得意でなくても意味が分かる部分もある。しかし、一方、書いていないのはダメという意味なのか、それともわかりきったこととして何も書いていないのか、書いていないということは、そもそもありえないことでそれは100パーセント不可という意味なのか。それともどうでもよいことなのか、というところが分からない。わからないことが多いが、そういうことだったのかとかかっていた雲が晴れることもある。

一方、Oxford大学出版会と Cambridge大学出版会でも違いがあって、たとえば、Oxford大学出版会は目次の前の前書きを認めているが、 Cambridge大学出版会は目次の前に前書きを置かないことにしているなど、合理的というより、それぞれのハウスでの慣習や傾向性ということもあるということが分かるので、ひつじならひつじでこういう作り方をするというルールを決めていいということも調べてみると分かることではある。

編集部みんなといったが、フリーの編集者のKさんと組版会社のNさんも参加してくれている。社員プラス2名ということだ。学術書組版・作り方に関心がある方なら、原則、だれでも歓迎なので興味を持ちの方なら、どうぞ松本までお問い合わせ下さい。