正林堂店長の雑記帖は、すごい

正林堂店長の雑記帖

http://blogs.yahoo.co.jp/hosinopp/archive/2009/01/26

3,000人しか利用者がいない少数民族の言語と8,000万人が利用している言語の間に、数の大小で優劣があるわけではない。
 このことは、比較的誰もがすんなりと理解してくれることだと思います。

 ところが、3,000人にしか読まれない小説と20万部売れた小説とを比較した場合には、
どうしてもそれは作品の力の差として受け止めてしまいがちなものです。

 これに断固、ノー!と言える社会のしくみや考え方が、これからの時代は大事になってくるのではないでしょうか。

 3,000人の市場では食べていけないから、外需を拡大するとか
 よりマス市場が期待できる英語圏に参入するとか、といった発想では、
そもそも世界中の国ぐには成り立たないのです。

 世界の圧倒的多数の国ぐにから較べたなら、はるかに有利な条件に恵まれた日本です。
水村さんの『日本語が亡びるとき』とは、だいぶ論点は異なりますが、日本語という1億人以上が利用しているメジャー言語の国の出版業は、ピーク時の半分以下にまで市場が縮小したとしても、世界の国ぐにの標準サイズにやっと近づいた程度の問題なのです。

たしかにこれから多くの書店や出版社が潰れていくことは間違いありません。
だからといって、やっていけないという理由にはならないのです。
「わたしたち」は、これからもやっていきますから。