イパネマの娘のジョアン・ジルベルトは、ジウベルト?
イパネマの娘で、私なども知っているジョアン・ジルベルトは、João Gilbertoと綴る。L(エル)のことを、ラ行だと日本人は思っているので、ジルベルトと読むのが慣例なのだけれども、ポルトガル語のL(エル)は、ウと読むのが本当らしい。
こんなことを知ったのは、もうすぐ近刊で刊行されるリリアンさん著『マイノリティの名前はどのように扱われているのか』の中で、ブラジルから来た子どもたちの名前が、ローマ字を読むときに、英語読みになったり、日本語での英語のイメージで読まれてしまい、子どもたちが自分の名前を予想もしない呼び方で呼ばれてしまうことがよくあると指摘されているからだ。
私の名前はイサオだが、それがサオとかイザオとかヒサオとか、言われたら。人間は自分の名前で自分を認識しているということがあり、読み間違えられるだけで、自分の足下がぐらついてしまうような気持になる。そういうことが、子どもたちにとってどんなことなのか。そんな場面、想像してみることをしてみるだけでも、思うところがあるだろう。