Asahi.comで「医療用語を患者の視点で 言葉遣いの工夫」

http://www.asahi.com/health/essay/TKY200809300010.html

Asahi.comで「医療用語を患者の視点で 言葉遣いの工夫」との記事がありまして、国立国語研究所の田中牧郎先生のコラムが掲載されている。

どんな世界にも専門語というものは、かかせないけれども、医療者の方たちの使う用語は、一般人である患者にとって、場合によってはとても重要な意味を持つ。専門用語をそのまま使われて、本来の意味がそんなに強いものでなくても、ショックを受けてしまうようなことばもある。専門語と私たちの生活をつなぐという研究は、私たちの生活にとても重要な内容だと思う。

国立国語研究所の移管の際に、その研究に対して、行革推から否定的なコメントがあったのはとても理解できない。今後も続けて欲しい研究だと思う。




 ■国立国語研究所の「病院の言葉を分かりやすくする提案」


 このほか「炎症」「潰瘍」「合併症」など、患者にとってわかりにくい言葉を、何の説明も加えずに使っている医療者が多いことが明らかになった。一方、別に実施した、医師が患者への説明に苦心している事例を集める調査では、同僚が「ショック状態」と言って、患者の家族に全く通じていない様子を見てからは、「心臓からの血液の供給も不十分で、危険な状態です」と言うようにしているなど、医師が様々な体験や工夫を重ねていることもわかった。


 医療現場で問題を起こしがちな言葉について、言葉遣いをどう工夫すれば、患者の理解と納得につながるのか、知恵や工夫を集めた指針づくりが望まれる。国立国語研究所が、医療の専門家と言葉の専門家からなる「病院の言葉」委員会を設置して活動に着手した、「病院の言葉を分かりやすくする提案」は、そうした指針作りに向かうきっかけになることを目指している。


参考になるサイト「病院の言葉を分かりやすくする提案」(http://www.kokken.go.jp/byoin/)に、本文で紹介した調査結果の一部も掲載しています。