人間の記憶と芥川賞候補川上未映子

昨年から、私は、川上未映子にはまっております。(【出版】恐るべき文の力、川上未映子と投げ銭、参照)「乳と卵」から、なので日は浅いけれども、CDを池袋に探しに行き(普通なら、amazonで買ってしまうのに)、ないのでアマゾンで買い、これがロングテールですね、比較的新作のCDも2枚買ってしまいました。(私は、前のCDの歌い方でもう少し最近の内容の歌の方が良かった気がする。音楽は凝っているのだが、前の方がストレートで良かった。)

『わたくし率イン歯ー、または世界』

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4062142139.html

芥川賞候補とのことである。勢いのあることはよいことである!

私は、おすすめ。


で、『わたくし率イン歯ー、または世界』で人間の記憶ということをいいたいのは、人間は身体のどこかに記憶の出発点を持っているということ。我々は電極ではないのである。話は強引だが、googleで全てが住むわけではない、商品的なキーワードや情報工学的なアルゴリズム、しかも、データベースと確率論にもっぱら依存していて、意味解釈を捨てたような計算機に記憶を支配されるような高尚な身体ではない。歯が抜けた、歯が痛い、ということに記憶は左右されるということ。

さらに強引に言うと「国立国語研究所図書館廃止」というのは、人間が創造的なことをする際にモノとしての本や、本の2次的な情報がどれくらい重要なことであるかということが分かっていない、ということだ。これは行革推進委員会だけではなくて、図書館業界人も同様である。そんなことでは理論武装もできやしない。