山田真哉さんの「街の本屋はなぜ潰れてしまうのか?」

myougadani2007-10-22

中央公論」に山田真哉さんの「街の本屋はなぜ潰れてしまうのか?」という記事が載っています。

共感できる内容でした。出版の問題というと再販制であるとか取次店の横暴とかという話になってしまいますが、そういう話ではなく、もっと根本的な問題を語っています。

モノが売れない時代に、情報として書籍を売っていけるのか、そもそも情報を売っていくことが可能なのか、ということを問いかけています。これはもっともシリアスな課題でしょう。私が、かつてそのことを考えようとしたのが、まさに「投げ銭」です。

山田さんの解決策としては、書籍をモノとしてではなくて、情報として売るというサブカルチャーの路線の模索、といった内容です。ここでいうサブカルチャーというのは、アニメとかマンガという意味ではなくて、出版業界のメインストリームが一般読者を志向してストーリィを売っていくということに対するサブという意味です。

山田さんが出版社を作るのであれば、専門書で値段も情報を売るにたる高価格のものを目指すと言っています。これは、ひつじ書房のこれまで取ってきたスタンスです。そういう意味でもっとも共感の出来る意見と言えるでしょう。

ひつじ書房の本が高価格というのは、暴利をむさぼっているということではなくて、研究という情報・コンテンツを世の出して、成り立たせていくために、合理的な値段が、一般書とは異なった価格帯になるということです。

http://www.chuko.co.jp/koron/

〈『さおだけ屋』の会計士が出版業界を斬る〉
「街の本屋はなぜ潰れてしまうのか?」