「大学生」になるための日本語、インストアライブ 2

2月12日、前日雪で、当日は雨模様の麹町、凡人社での「大学生」になるための日本語、インストアライブの紹介、第2段です。



堤良一先生、長谷川哲子先生のライブのはじまりです。



お二人の先生が強調されていたのは、日本語能力試験の2級の学習者はこのくらいの日本語を理解できるから、その能力に合わせて日本語を書き下ろすことはしない。なぜなら、大学に入学した後で、大学で留学生が出会う日本語が留学生のために優しくリライトされているわけではないということを考えて、読む対象となる文章は、普通に世の中に出回っている文章にそのまま、出会う機会として日本語のテキストを作ったということです。

大学生あるいは専門学校生の場合でも、専門的な文章を読まなければなりません。そういう時の準備になるように。




内容についても、大学での知的な生活の入り口になるような題材を、理系文系を偏りなく選んだということです。大学に入学してから、こんなはずじゃなかったなどちうことがないようにしたいというお考えもあるとのことでした。

学生に優しく、至れり尽くせりではなくて、少し試練を与えるような、課題を与えるような文章ということだと思います。留学生に対しての「愛」がある教科書ということができるのではないでしょうか。




今回、主催者側にとってもとてもよかったのは、実際に使っている方、使おうと検討している方の声を直に聞くことができたことです。そして、いわゆる書き下ろしではない、ナマの原稿を元にした読み物を重要視するという本書のテーマに、共感をいただいていることをお聞きしてたいへんうれしく思いました。


会話が自然でユニークで、フィラーや会話の重なりがありますので、現時点ではスクリプトは用意していません。ただ、もし、スクリプトが必要という声が多くなりましたら、作ることを検討するかも知れません。


質問時間に動画を入れたらいいのではないかとの提案がフロワーからありました。検討に値する提案だと思います。しかし、難しいのは、コストのことよりも、表情を重要な情報として動画を入れる場合に、TVのドラマのようになってしまう危険性です。それは,動画を入れることで現実よりもフィクションに近づいて行ってしまう、という危険性があると思います。


きちんと作らないと陳腐で、面白くない素人立ち芝居のようになってしまう危険性があるのではないでしょうか。これはうろ覚えの記憶ですが、かつてNHKの3チャンネルで放映していたように思います。リアルとは何か、芝居とは何か、というところに踏み込んでしまいかねません。そうであるなら、もう芝居として書き下ろしてもらった方が良いかもしれません。有名なラーメンズの皮肉な日本文化のシリーズくらい、フィクションとして作りこまないと行けないでしょう。



ラーメンズ 寿司
http://www.youtube.com/watch?v=qCpbBVthD7o






3月以降、大阪の凡人社さんでも、店頭イベントを行いたいと思っています。



また、今回の催しも、YouTubeにアップする予定です。お越しになれなかった方もどうぞご覧下さい。





「大学生」になるための日本語 第1巻






「大学生」になるための日本語 第2巻