「伝達・運用能力」ラウンド・テーブル

誰でも参加オープンではないので、ネットで検索してもでてきませんが、今月下旬に「伝達・運用能力」ラウンド・テーブル、という2日の研究会が愛知大学で開かれます。私も、登壇者にしていただきました。


「伝達・運用能力」ということなので、いわゆるコミュニケーション能力について議論する、研究するという集まりです。


発表のために、『ことばの民族誌 社会言語学の基礎』(デル・ハイムズ)を読んでいます。基礎的な文献と言うことですので。



最初の部のタイトルは、(その本では節と訳してありますが、部の方が普通でしょう。多くの場合、部→章→節の階層が普通ですので)「コミュニケーションの民族誌に向けて」と書かれています。その研究を成り立たせるためには、「発話の要素」として以下の16を上げています。



発話の要素

1 伝達内容の形式

  • -

2 伝達内容の中身

  • -

3 環境
-
4 場面
-
5 話し手、あるいは送り手
6 送信人
7 聞き手、あるいは受け取り手、あるいは聴衆
8 受信人

  • -

9 目的--成果
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10 目的--目標
-
11 基調(key)
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12 チャンネル
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13 発話の形式
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14 相互作用の規範
15 解釈の規範

  • -

16 ジャンル




このことは、ハイムズがその時に整理してリストにしたものであるわけですが、いまだに実際には、具体的に研究されているとはいいがたいことのように思います。


また、コミュニケーションということが注目されていながら、研究的な関心も研究の共有、社会化もほとんどなされていないでしょう。


たとえば、コミュニケーションを目指す英語教育といった場合には、具体的にどのようなコミュニケーションを想定するのかということはほとんど議論されていません、社会的には議論されずに、毎年、英語教師が養成されていますし、財界が小学校から英語を学ばせるべきだというと文科省はそれを梃子にして予算化して、現場に押しつける、現場の声も、実際のこどもたちにとってどういう「コミュニケーション教育」がなされるべきかも、ほとんど、議論されていないと思います。