博士課程の競争率低迷

東京新聞によると博士課程の競争率が4年連続とのことである。東大の大学院の一部などが、学費を無料にするなどの動きもあるけれども、どういうことなのだろう。

日本の社会において大学院の博士号は必要ないということだろうか。海外と比してどうなのかという報道ではないので、そのあたり不明だが、日本社会が高学歴化しているのに、知的高度化に成功していないということのように思う。

アメリカの公立図書館などで、ある水準以上の役職に就くためには博士号が必要というように、大学が社会との接点で知的高度化の結節点と機能するようなことは日本ではないような気がする。(このあたり、データなしで言っています。)

私の考えでは、学費の無料化よりも、社会的に大学院卒の博士取得者をきちんと処遇することが重要な気がする。大学院自体が、院生をきちんと社会的に通用するように教えるということ、社会的に使い物にならない人を育てるのではなくて、使い物になるように育てることとともに社会の受け入れ方の方も変わる必要がある。

出版社の意見としては、たとえば、博士課程を出た人の中の優秀な人については、成果を公開しやすくするであるとか。その人の研究を社会的に必要な物として認知しやすくするであるとか。出版業をもっと受け皿として機能するように、振興するとか。(手前勝手な意見でしょうか?)学術周辺産業というものの充実も重要ではないだろうか。



博士課程の競争率低迷 就職難で4年連続1倍切る


文科省は、ほかの先進諸国に比べて大学院の体制が不十分として、博士課程を含む大学院の入学定員や学生数の増加を促し、博士課程の入学定員は1991年度の1・8倍、在学者も2・5倍に増えた。

 しかし、大学や研究所などの研究職ポストはあまり増えていない。「博士号取得者は協調性に問題がある」などのイメージを持つ企業も多く、採用を敬遠する傾向がある。

http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2008030902093821.html