レムの死
大学生の時にタルコフスキーの『惑星ソラリス』を見て、それでその原作を読んだ。それがレムとの出会いのはじまり。
こちらが理解できない存在に対して、いろいろな試みをするが結局分かることはできずに、何らかの結末にいたる。
タルコフスキーの『惑星ソラリス』に影響されてしまっているかも知れないが、早川文庫で読んだ印象はとてもよかった。
ソラリスではなく、別の小説でちょっと考えてみるとこんな感じか。
『星からの帰還』で、故郷が主人公が帰ってくると理解のできない星になっている。安全でクルマのアクセルを踏んでも、加速感はないし、急ブレーキを踏んでもただ静かに停止する。冒険心がなくなってしまった世界。主人公は結局地球を離れることを選ぶのだが、職業人的誠実さというのがあって、それがよかったような気がする。(記憶が定かではないので、全然違っているかも知れない。)
混とんを目の前にしたとき、そういう職人的あるいは冷静な科学者的な態度というのは悪いものではないなということを感じたような気がする。少し突き放した感じ。