著作権の保護は作者の死後20年に短縮しよう

著作権の保護は作者の死後50年から70年に延期するという動きがあるが、これは間違いだ。

創造性を後押しするためには、生きている内にその作者を支援する必要があるのであって、孫子に経済的な援助を与えることにしかならない著作権の延長はコンテンツの創造性の後押しには役に立たないと思う。

(作るプロセスの支援をまじめに考えよう。たとえば、図書館とか)


ただ、そういうばかげた既存のコンテンツフォルダーの権利を拡張するという意見がでるとその逆も生まれる。白田秀彰さんは優れた学者だと思うが、以下の部分はいただけない。

創造性の問題は、複製と流通の問題ではない!創作者がネットで公開できれば全てが解決というのは、重要なことがわかっていないのではないか。

http://hotwired.goo.ne.jp/original/shirata/060111/02.html

>かつては、報道は新聞として、文学等は書籍として、音楽は楽譜やレコード
>としてしか大量複製できなかった。だから、法やら制度やらでメディア企業
>の利益を保障して、事業として存続できるようにしてあげないと、情報や文
>化の流通に大きな支障をきたした。これは、再販売価格維持制度で小さな新
>聞販売所や書店やレコード店の存続を保障してきたのと同じ事情だ。でも、
>もうインターネットがある、P2Pネットワークがある。創作者が作品を配布
>するという目的のためには、もうメディア企業もお店も不要だ。既存の古い
>流通網をいまさら積極的に保護する理由はない。たとえて言えば、フレッツ
>光サービス利用者に税を課して、黒電話網の維持経費に充てるようなもの。
>キツイ言い方だけど理屈からいけばそういうこと。


白田秀彰の「インターネットの法と慣習」 http://hotwired.goo.ne.jp/original/shirata/060111/02.html


追記

それとたたく敵を間違っているんじゃないのかな。

著作権が70年になったとしたら、それに関わるのは著者の遺族くらいだろう。それともっとも、関係しているのはディズニーなどのキャラクタービジネスではないだろうか。

書店はそもそも関係ないし、多くの出版社も、99.999パーセント関係ないと思われる。70年も商品価値をもつ商品を扱っているところはほとんどない。手塚治虫のマンガは古典として生き残るかもしれないが、そういうものはほとんどない。

70年も持つかもしれないのは、作品ではなく、ディズニーのようなキャラクターのようなアイディアそのものが商品の場合だけだ。

>フレッツ
>光サービス利用者に税を課して、黒電話網の維持経費に充てるようなもの

黒電話網は、旧来のメディアであり、保護する必要がないのに保護をするために消費者に不利益をもたらすということかもしれないが、これも的はずれ。出版が黒電話だとしても、別にそっちに回ってくるというわけではない。保護されるのはコンテンツ産業と言うよりも、もともともうかっているキャラクタービジネスだからね。