学習院女子大学で日本語文法学会開催

学習院女子大学で日本語文法学会開催されました。

学習院女子大学は、ご存じの通り、1994年まで学習院女子短期大学で、学短(がくたん)と呼ばれていたのですが、ひつじ書房にとって私にとって、とてもゆかりの深い大学なのです。

学短が存在していなければ、ひつじ書房は存在していなかったということができるくらい重要で必須の存在です。学短が、あたえてくれたものそれはなんでしょう。たまたまというべきなのか、大きな重力のようなものがあったと思うべきなのか。いくつも連関する1つのコマなのか。コマひとつひとつは重要であったにしろ、決定的な要因と言えるほどのものなのか。しかし、運命があった、ということもいえるのではないか、私はそう思います。

私が、桜楓社にいた時代に、たまたま矢澤真人さん(現、筑波大学)が、筑波大学の大学院から講師になって次の年くらいで、学短の学生は、頭は悪くないけれどもそんなに勉強に熱心というわけでもない学生たちに現代日本語の文法の考え方を、興味を持ってもらって教えようと思った時に、従来の日本語学・国語学の教科書がほとんど使えない、新しいものを考えているのだけれども、というところに私はたまたま偶然というかたちで研究室を訪問した、ということがすべてのはじまりなのです。

矢澤さんが、学短で教えていなくて、大学院を出てそのまま、少人数の学生だけを相手にしていればいいような国立大学に就職されていたら、新しい教科書が必要だと思わなかったかもしれません。私が、早稲田の出身で大学の研究室回りの担当となって、早稲田大学文学部の国文学研究室に行った後に、早稲田大学の文学のとなりにある学短に寄らなければ、学短が早稲田のとなりになかったら・・・。

その新しい教科書が、『ケーススタディ日本文法』で、この本が売れてくれたので、その次の本の企画『ケーススタディ日本語の語彙』を作る企画も社内ですんなりと通りましたし、その後の『日本語概説』、『日本語教授法』などの企画も進めることができたということがあります。その後、独立したということがあるのですが、これらの本は桜楓社にも貢献できたのではないでしょうか。1987年は、3年目の春でした。



ケーススタディ日本文法』ほぼ1年で、5刷りになっています。